脱サラを模索しながらも、管理職に抜擢されてからはや5年が過ぎたKUMAJoeですが、日々のマネジメント業務の中で強く感じるのはやはり人材育成や人材活用の重要性です。
実際にKUMAJoeが管理職になってから社内で色々な改革を進め、結果大幅な赤字から黒字へと改善させた過程でも、「人財」のマネジメントがひとつの大きなポイントとなりました。
みなさんの中でも
「部下のモチベーションが低く目標に真剣に取り組んでくれない」
「部下が何を考えているのか分からない」
「社内の人材育成がうまくいかない」
こうした悩みは意外と多いのではないでしょうか。
そんな時には、これからご紹介するHRM(ヒューマン・リソース・マネジメント)という人材活用術を参考にしてみてはいかがでしょうか。
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この記事はこんな人におすすめ
- 「ヒューマン・リソース・マネジメント」や「モチベーション3.0」について知りたい
- 人材育成や人材活用についてこれから勉強していきたい
- 部下の扱いや育成に苦労している。
もくじ
HRM(ヒューマン・リソース・マネジメント)とは
「HRM」とはHuman(ヒューマン) Resource(リソース) Management(マネジメント)の略で、日本語では人的資源管理、あるいは人材マネジメントなどのように訳されるもので、組織へのエンゲージメントやモチベーションを高めていくアプローチを通して人材に最大限のパフォーマンスを発揮してもらい、経営目標や経営戦略を実現していく手法のことです。
従来型人事管理との違い
「HRM」の特徴には、人材を育成、活用することによって目標を達成しようという着眼点があります。
一般的に経営資源とは「ヒト・モノ・カネ・情報」の4つを指しますが、HRMはこの経営資源のうち、「ヒト」の要素に着目して、人材に最大限のパフォーマンスを発揮してもらうことで経営目標を達成しようという手法です。
ここで重要になるのが
ポイント
「従業員をコストではなくて、付加価値を生み出す利益の源泉として捉える視点」です。
またHRMとよく似た概念として、「PM」Personal(パーソナル) Management(マネジメント)=人事労務管理と呼ばれるアプローチもあります。
「PM」とは、従業員を管理・統制することで企業の利益を最大化することを目標とする人事管理手法です。PMと比較すれば、HRMには従業員を育成、活用することで経営目標を達成するという視点に特徴があります。
HRM(ヒューマン・リソース・マネジメント)の要素
HRMで扱われる要素には様々なものがあり、次にあげるのはその一部です。
- 管理職研修
- リーダーシップ研修
- 報酬体系の設計
- 福利厚生
これらの要素はPMなど他の人事管理手法とも共通していますが、HRMの特徴は、個々の要素を人材の育成や活用と結びつけて考える点にあります。
このような説明をすると、「HRMは人事部が全社的な取り組みとして行うものだ」というイメージを抱かれるかもしれません。確かに、報酬体系や評価の仕組み、福利厚生といった全社的な制度設計や、管理職研修の実施などは人事部とトップマネジメントが主導して行うものです。
しかし、部下の目標設定やモチベーションの向上といった、階層に応じたHRM手法の取り入れはミドルマネジメントや、もっといえば現場レベルの監督者であるロワーマネジメントにも可能ですし、効果的に用いることでチームの業績向上に役立てることができます。
ポイント
つまり、「HRM」ヒューマン・リソース・マネジメントとは人事やトップマネジメントから、より現場に近い、ミドル、ロワーマネジメントまで幅広く活用できるモチベーション3.0時代の人材活用術なのです。
部下や従業員のモチベーションに悩んでいる方には
良書「モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか」ダニエル・ピンク(著),大前 研一(翻訳)
がおすすめです。
ミドルマネジメントの「HRM」実践術
ここではトップマネジメントとプレイヤーをつなぐ
「ミドルマネジメントが実践可能なHRM」について
「動機づけ」と「目標管理」という2つのポイントに絞って説明していきます。
2つの動機づけ
モチベーションとは、人をある行動に向かわせる力、つまり意欲ややる気などのことを示します。
外発的動機づけ
人に何かをしてもらいたいと思った時、一番手っ取り早い手段はなんでしょうか? 人によって若干の違いがあるかもしれませんが、多くの方が挙げる答えは「報酬を出す」というものではないでしょうか。
こうした外部の力による動機付けを「外発的動機づけ」といいます。
内発的動機づけ
では、ある人が受け持っている仕事が、その人にとって楽しくて仕方がない仕事だったとしたらどうでしょうか? 例えば研究者が寝食を忘れて未知の物質の解明に没頭している状況などを思い浮かべていただいたら想像がしやすいのではないでしょうか。もちろん、仕事ですから給与などの報酬は必要です。
しかし、研究者自身にしてみれば、給料のためではなく、自分の知的好奇心を満たすためにその研究に打ち込んでいる瞬間というのがあるはずです。そうした時、その研究者は給与という外部の力ではなく、「知的好奇心を満たしたい」という自分の欲求に突き動かされてその仕事に取り組んでいることになります。
こうした自分で自分を仕事に向かわせる力を「内発的動機づけ」といいます。
2つの動機づけの使い分けが大切
この2つは、どちらかが優れていて、片方さえあればもう片方は必要ないというものではありません。状況によって、また動機づけられる人にとって、どちらの方が向いているかということで使い分けられる必要があります。
動機と「適切な目標管理」の結びつけ
個々の従業員に課される目標設定は、動機づけと絡めて行われる必要があります。
外発的動機づけを好む従業員であれば、報酬や直接的な言葉による評価といった外発的動機づけと目標を絡めて設定する必要があります。
また、内発的動機づけを好む従業員に対しては、その仕事がどういった意義をもつのかという説明や、課題の達成が本人の成長にどのようにつながるかというビジョンが必要になります。
目標の達成と従業員個人の欲求の充足をどのように結びつけられるかで従業員のモチベーションが変化してきます。
まとめ
この記事では、「HRM」ヒューマン・リソース・マネジメントについてトップマネジメントや人事に限らず、現場レベルやミドル、ロワーマネジメントのレベルでも有効活用できるという視点から説明してきました。
そのポイントは次のとおりです。
まとめ
- ・外発的動機づけと内発的動機づけの両方を使い分ける
- ・チームの課題や経営戦略の達成と、個人の欲求とを結びつける
このように、適切な「動機づけ」と「目標設定」、およびその達成を繰り返すことで、従業員の職務満足や組織へのエンゲージメントを育てていくことができるのではないでしょうか。
「自分が仕事のモチベーションがあがらない」そんなときにはこの記事もおすすめです。
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